血管と血管をつなげるシャント手術

人工透析を行う為には、たくさんの血液をダイアライザー(人工透析によって血液を浄化する医療機器のこと)に送らなければなりません。この為、血液量の多い血管とダイアライザーを繋ぐ必要があります。
そこで「シャント」と呼ばれる手術が必要になります。多くの場合、利き手でない方の手関節の部位の動脈と静脈を血管吻合し、動脈血を直接静脈血管に流す手術を行います。
初診時の流れ
1受付
保険証を受付にお出しください。また、紹介状は必ずご持参の上受付にご提示ください。
初診時には診察前に問診票へのご記入をお願いしますので、予約時間の10~15分前にはご来院ください。
2診察・検査
医師の診察後、必要に応じて検査を行います。
3ご説明・ご相談
診察と検査の結果をもとに、病状と考えられる治療法(選択肢)について詳しくご説明します。ご不安な点、ご不明な点などがございましたら遠慮なくご質問ください。
4治療開始
手術などが必要な方は、次回のご予約をお取りします。一方で当日何らかの処置が必要な際は適切に対応いたします。
内シャント造設手術
患者さま自身の血管を使い、動脈と静脈をつなげる
内シャント手術は多くの場合、利き手ではない手の関節の動脈と静脈をつなげて、動脈の血液を静脈に流します。当院ではできるかぎり、患者さまご自身の血管を使って内シャントを造っています。
すぐに使える人工血管手術も可能
もし内シャントを造るために適した血管がない場合は、人工血管を使います。今までもっとも多く使われてきた人工血管では手術後3~4週間は血液透析に必要な穿刺(せんし)が行えず、問題でした。穿刺とは血液の流出と流入のために手の2ヵ所に針を刺すことです。当院では手術後すぐに穿刺ができる人工血管を使ったシャント手術が可能です。
内シャントのメンテナンス
異常を防ぐため、定期的なメンテナンスが大切
内シャントは定期的なメンテナンスを行わないと血管が狭くなったり詰まったりして、人工透析を行う上で支障が出てくることがあります。透析患者さまは通常、週に3回、透析を行っているのでシャントが機能しなくなるのは死活問題となってしまいます。
3ヵ月から半年に1回は超音波検査を受けましょう。異常を早期に発見し、早めに治療をすることが大切です。
シャント音を日ごろから聞いて、異常がないかをチェック
内シャントの手術をした箇所に聴診器を当てると、血液が流れている音「シャント音」が聞こえます。動脈は血圧が高い一方、静脈は血圧がほぼゼロなので、血圧の高い動脈から静脈に向かって流れているのです。
手術をした方の手にまんべんなく聴診器を当て、シャント音を聞くことで異常を早期に見つけられる可能性が高まるため、当院では内シャントの手術をした患者さまに聴診器の購入を勧めています。
低く連続する音が良い音 風切り音は悪い音
血液がスムーズに流れていると、「ザー、ザー」と低くて長い音が聞こえます。一方で何かしらのトラブルがある可能性を示唆するのは「ヒューヒュー」といった風切り音です。
シャントPTA
血管トラブル時の治療法・シャントPTA
シャントPTA(Percutaneous Transluminal Angioplasty)とは、血管が何らかの理由で詰まったり狭くなったりしたときに、先に風船がついたバルーンカテーテルを挿入し、血管の中を広げる治療法です。
治療は30分~1時間 日帰りで受けられます
シャントPTAの治療は安全で、時間は30分から1時間ほど。日帰りで行えます。
当院におけるシャントPTAの特徴
シャントの再狭窄を防ぐ、最新のDCB治療を2021年から、いち早く導入
当院では、シャント狭窄の治療において「薬剤塗布バルーン(DCB)」を採用しています。従来のバルーン治療に比べ、血管が再び狭くなるのを抑制する効果が高く、手術の頻度を減らすことが期待できます。
高機能な外科用X線撮影装置「モバイルCアーム」を導入
当院では、現在の血管内治療で威力を発揮している「モバイルCアーム」を導入しています。モバイルCアームは外科用のX線撮影装置で、操作性と機能性が高いため血管の造影がスムーズに行えるほか、画像も高画質。正確な処置が行えます。
被ばくの心配がないエコーガイド下の手術
エコーガイド下、つまり超音波ガイド下の手術も行っています。これならX線被ばくの心配がなく、造影剤も使用しません。また局所麻酔を十分に投与でき、バルーンを広げる際の痛みを最小限に抑えられます。
薬剤塗布バルーン(DCB)治療
当院では、血管内治療(VAIVT)において保険適用内での最新の‘薬剤塗布バルーン(DCB)‘を使用しています。
DCBとは?
バルーンの表面に再狭窄(再び狭くなること)を抑える薬剤(パクリタキセルなど)が塗布された特殊な風船です。
期待できる効果
血管を膨らませる際、同時に薬剤を血管壁に塗布することで、細胞の過度な増殖を抑え、再狭窄を大幅に抑制します。
薬剤塗布バルーン(DCB)治療の対象となる方
DCB治療は優れた治療法ですが、全ての狭窄(狭くなった状態)が対象となるわけではありません。厚生労働省の定めた基準及び医学的な判断に基づき、主に以下の様なケースで検討いたします。
再発を繰り返す狭窄(再狭窄)
通常のバルーン治療(PTA)を行っても、短期間(目安として3か月以内)で再び狭くなってしまう部位に対して、再発抑制の目的で使用します。
血管の走行や状態が治療に適している場合
シャントの吻合部(つなぎ目)から少し離れた静脈など、DCBの効果が十分に発揮できると判断された部位が対象です。
新規の狭窄でも、再発リスクが高いと判断される場合
血管の状態やこれまでの経過から、通常のバルーン治療(PTA)では早期の再閉塞が予想される場合に選択肢の一つとなります。
※ご注意いただきたい点(適応外となるケース)※
以下の様な場合は、通常のバルーンや他の治療法(手術によるシャントの作り直しなど)が優先されることがあります。
完全に閉塞(詰まった状態)している場合
血栓で完全に塞がっている箇所には、先ず血栓除去や通常のバルーンで開通が必要です。
石灰化が非常に強い部位
血管が石のように硬くなっている(石灰化)場合、薬剤が浸透しにくいため、特殊な高耐圧バルーン等を用いることがあります。
人工血管の一部や特定の部位
製品の仕様や保険適用ルールにより、使用できる部位に制限があります。
院長より、メッセージ
「自分のシャントにDCBが使えるかどうか知りたい」と言う方は、エコー検査等の結果をもとに詳しくご説明します。最適な治療法を一緒に選んでいきましょう。
